保険適用のハイブリッドセラミックとは?特徴や利点・欠点を解説
更新日:2022年10月12日/ 公開日:2022年10月12日
セラミックと聞くと「高額」「お金持ちの方がする治療」というイメージがありますが、健康保険が適用されるセラミックがあることをご存じでしょうか?
セラミックの種類の中でもハイブリッドセラミックは健康保険が適用されるため、3割負担でセラミック治療が受けられるのです。
当記事では、ハイブリッドセラミックの特徴やメリット・デメリット、どのような方におすすめなのかについてご紹介していきます。
ハイブリッドセラミックとは
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンと呼ばれるプラスチック素材を混ぜ合わせた素材を使うセラミック治療です。
100%セラミックの素材ではないですが、歯科医院などで虫歯治療に使われるレジンを使用しているため健康保険が適用され、安価にセラミック治療を受けられるところが魅力です。
ここからは、ハイブリッドセラミックの特徴を3つご紹介していきます。
ハイブリッドセラミックの特徴①保険適用
上記でもお伝えした通り、ハイブリッドセラミック治療は健康保険が適用されます。
健康保険が適用される理由は、保険適用外のセラミックだけではなく、保険適用のレジンも素材に含まれているからです。
そのため、100%セラミックのような審美性や透明感は出せませんが、レジンよりも変色しにくいナチュラルな仕上がりになります。
健康保険が適用されるため、通常のセラミックよりも安価に治療を受けることができ、比較的手軽にセラミックを取り入れることができます。
ハイブリッドセラミックの特徴②金属は使用しない
ハイブリッドセラミックは素材に金属を使用していません。
そのため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けることができ、金属の溶け出しによる歯茎の黒ずみや変色などの心配もありません。
綺麗な歯茎を保つことができるため、口内環境も美しく保つことができます。
ハイブリッドセラミックの特徴③自然な仕上がり
ハイブリッドセラミック歯は通常の歯と色が似ているため、自然な仕上がりになります。
一般的なオールセラミックだとセラミック特有の真っ白な歯に変わるため、その白さに違和感を覚える方もいらっしゃいます。
しかし、ハイブリッドセラミックはオールセラミックのような白さは出せないものの、歯本来の色に近づけた仕上がりとなるため、セラミック特有の違和感を覚えにくいという特徴があるのです。
ハイブリッドセラミックのメリット・デメリット
ハイブリッドセラミックは健康保険適用や金属アレルギーの方でも利用できるなど良い面がたくさんありますが、もちろんデメリットも存在します。
ここでは、ハイブリッドセラミックのメリット・デメリットを見ていきましょう。
ハイブリッドセラミックのメリット
ハイブリッドセラミックのメリットは以下の通りです。
・レジンよりも強度と耐久性が増す
・レジンに比べて変色しずらい
・噛み合わせによる他の歯のダメージが少ない
ハイブリッドセラミックは上記でも何度かお伝えしている通り、治療に健康保険が適用されるため通常のセラミックよりも安く施術を受けることができます。
また、レジンとセラミックが混ざった素材を利用しているためレジンよりも耐久性があり、変色などがしずらいというところもメリットです。
他にもレジンを配合していることから100%セラミックの歯に比べて硬すぎず、噛み合わせなどで周囲の歯へのダメージを軽減することができます。
ハイブリッドセラミックのデメリット
ハイブリッドセラミックのデメリットは以下の通りです。
・詰め物は保険適用外
・対象の歯が限られる
・レジンアレルギーの場合はできない
ハイブリッドセラミックはレジンが混ざっているため、100%セラミックと比較すると審美性や透明度は劣ります。
また、ハイブリッドセラミックはCAD/CAM装置というコンピューターを用いた歯科医療技術の使用に限り健康保険が適用され、詰め物の場合は保険が適用されません。
また全ての歯がCAD/CAM装置使用で保険適用というわけではなく、一部の歯に関しては条件を満たさないと保険が適用されないため、全ての歯をハイブリッドセラミックに出来る人は一部に限られます。
ハイブリッドセラミックはどこの歯が保険適用?
上記のデメリットでもご紹介しましたが、ハイブリッドセラミックは一部の歯は条件を満たさないと保険が適用されません。
上の画像を見てみると、黄緑色で塗りつぶされた歯はCAD/CAM装置使用で健康保険が適用されます。中切歯、即切歯、犬歯のような前歯から数えて5番目の歯である第二小臼歯が対象ということになりますね。
しかしそれ以降の奥歯、つまり第一大臼歯や第二大臼歯については、金属アレルギーをお持ちの方のみ健康保険が適用されます。
今後保険改定によりハイブリッドセラミックの保険適用範囲が変わることもありますが、金属アレルギーを持っていない方は前歯から数えて5番目の歯まで保険が適用されるということを覚えておきましょう。
また、金属アレルギーの方で第一大臼歯や第二大臼歯をハイブリッドセラミック治療する場合は、金属アレルギーの診断書が必要になるため、あらかじめ用意することも忘れないようにしましょう。
ハイブリッドセラミックがおすすめな人
ここまでハイブリッドセラミックの特徴やメリット・デメリットをご紹介してきましたが、どのような人におすすめのセラミック治療なのでしょうか?
ここではハイブリッドセラミックがおすすめな人の特徴を3つご紹介します。
おすすめな人|①費用を抑えてセラミック治療したい方
ハイブリッドセラミックは健康保険が適用されるため、費用を抑えつつセラミック治療をしたい方に向いています。
オールセラミックの施術は1本5~10万円かかるのに対し、ハイブリッドセラミックは保険適用で約9,000円と非常に安く治療ができます。
セラミックをしてみたいけどお金の関係で諦めていた方はハイブリッドセラミックが解決してくれるかもしれません。
ただし、ハイブリッドセラミックは安く治療できる反面、仕上がりがオールセラミックのような真っ白な歯にはならないため、芸能人のような白い歯を求めている方はオールセラミックなどの審美性や透明度が魅力のセラミック治療がおすすめです。
おすすめな人|②金属アレルギーをお持ちの方
ハイブリッドセラミックは使用する素材に金属がないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けることができます。
さらに、金属アレルギーをお持ちの方は、保険適用の前歯部分だけではなく第一大臼歯や第二大臼歯のような奥歯まで保険が適用され、全ての歯をハイブリッドセラミックに変えることができます。
金属アレルギーがない方は奥歯は保険適用外のため、金属アレルギーをお持ちの方はさらにお得に治療を受けることが可能です。
おすすめな人|③不自然な白さは嫌な方
ハイブリッドセラミックはレジンとセラミックを混ぜ合わせた素材を使用しているため、不自然な白さになる心配がありません。
そのため、「セラミックをしてみたいけど不自然な白さは嫌だ」という方におすすめです。
保険適用のハイブリッドセラミックとは?|まとめ
今回は健康保険が適用されるハイブリッドセラミックの特徴やメリットデメリットについてご紹介してきました。
重要なポイントをもう1度おさらいします。
・健康保険が適用されるため治療費が安い
・不自然なくらい真っ白にはならない
・一部の歯は金属アレルギーの方のみ保険適用となる
ハイブリッドセラミックは治療費が安いだけではなく、レジンよりも耐久性があり変色などもしにくいという魅力があります。
100%セラミックの歯に比べて審美性や透明度は劣りますが、白すぎる歯ではない仕上がりを求める方にもおすすめのセラミック治療です。
一部の歯は条件を満たした時のみ保険が適用されるため、ハイブリッドセラミックを検討している方は対象の歯科医院でしっかりとカウンセリングを受けることをおすすめします。

歯科衛生士として一般歯科に勤務したのち、
ワーキングホリデーでカナダの歯科クリニックで歯科助手も経験。
2020年7月〜ホワイトニングカフェ札幌駅前店に勤務。