歯周病治療&歯列矯正が同時にできるケースと歯周病が悪化するリスク
更新日:2025年01月21日/ 公開日:2024年12月21日
歯列矯正を検討しているものの歯周病の疑いがある方の中には、歯周病治療と歯列矯正は同時にできないのかを知りたい方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、歯周病治療と歯列矯正を同時にできるケースはありますが、歯周病が悪化するリスクもあるため、まずは日々の生活習慣やセルフケアの改善が重要になります。
この記事では、歯周病治療と歯列矯正が同時にできないケースと、歯周病が悪化するケースや悪化を防ぐポイントを解説していくので、歯並びでお悩みの方もぜひ最後までご覧ください。
歯周病治療と歯列矯正が同時にできるケースはある?
歯周病はプラーク(歯垢)や歯石の細菌によって歯茎が炎症を引き起こす病気であり、悪化すると歯がグラグラしたり抜けてしまう恐れがあります。
その一方で歯列矯正はワイヤーなどの装置で歯並びを改善する施術ですが、症状によっては歯周病でも矯正を受けられる場合があるため、歯科医院で相談してみることをおすすめします。
まずは、歯周病治療と歯科矯正が同時にできるケースとできないケースをそれぞれ解説していくので、基本情報として参考にしてみてください。
軽度の歯周病であれば歯列矯正が可能
歯周病の症状が深く進行していない場合は、歯列矯正を同時に行える可能性があります。
歯を支えている骨の状態をレントゲンで撮影・確認し、骨に問題がなく歯肉が腫れている程度であれば、歯周病治療と歯列矯正を同時に行える可能性が高いです。
軽度の歯周病は痛みが少なく見た目の変化も分かりづらいため、歯列矯正を考えている方はまず歯科医院で検診を受けるのがおすすめです。
歯周病がある場合は先に歯周病治療を行う
軽度の歯周病であれば歯列矯正できると解説しましたが、基本的には歯周病治療を終えてから歯列矯正を始めるケースが一般的です。
歯周病が進行している場合は、歯肉が健康な状態に戻ってから歯列矯正に進みますが、歯並びを整えて歯垢が溜まりにくい状態にするために歯科矯正が用いられる場合もあります。
しかし、歯がグラグラして抜けかけている重度の歯周病では歯列矯正ができない可能性もあるため、今後の治療方針や矯正の可否に関しては担当医に相談してみてください。
重度の歯周病は歯列矯正ができない
軽度の歯周病であれば歯列矯正を行える可能性がある一方で、重度まで進行している場合は歯列矯正ができないケースがほとんどです。
歯列矯正ではワイヤーやマウスピースで歯根膜に力を加えて伸び縮みする作用を利用しながら歯を動かすため、重度の歯周病だと症状を悪化させるリスクがあります。
例えば、歯を支えている骨がほとんど溶けているような状態だと、歯列矯正はできないでしょう。
自覚なく進行するのが歯周病の特徴でもあるので、気になる方は早めに歯科検診を受けることをおすすめします。
歯列矯正によって歯周病が悪化する3つのリスク
歯周病治療と歯列矯正を同時にできるケースとできないケースを解説しましたが、治療を同時進行することによって歯周病が悪化するリスクもあります。
歯列矯正用の装置が邪魔して磨き残しが増えてしまったり、歯が動く過程で歯茎が下がってしまう可能性もあるため、将来的な歯周病リスクについても担当医に相談することが大切です。
ここからは、歯列矯正によって歯周病が悪化するリスクを3つの事例で解説していくので、歯列矯正を検討する上での判断材料として目を通してみてください。
①:磨き残しが増える
歯列矯正によって歯周病が悪化するリスク1つ目は、歯磨きが不十分で磨き残しが増えてしまうことです。
歯周病は細菌の塊である歯垢の磨き残しで引き起こされるため、歯列矯正のワイヤーなどの装置によって歯磨きが不十分になると、歯垢が残りやすくなります。
マウスピース矯正の場合も、装置の洗浄が不十分だと歯周病リスクを高める可能性があるため、歯列矯正に使用する装置周辺のケア方法についても確認しておく必要があるでしょう。
②:歯肉退縮が生じやすい
歯列矯正によって歯周病が悪化するリスク2つ目は、歯肉退縮が生じる可能性があることです。
歯肉退縮とは歯を支える骨が溶けることで歯茎の位置が下がる現象のことで、歯と歯の間に三角形の隙間ができたり歯が長く見えるなど外観に大きな影響を及ぼします。
元々歯周病で下がっていた歯茎が、歯列矯正で歯を動かすことでさらに下がる場合もあるため、こまめに歯科医院でチェックしてもらう必要があるでしょう。
歯肉退縮の状態
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・歯茎が下がる
・歯茎がなくなり歯根が露出する
・歯の間に隙間ができる
・歯が長く見える
③:歯が抜けるおそれがある
歯列矯正によって歯周病が悪化するリスク3つ目は、歯を動かす過程で歯が抜けてしまう可能性があることです。
歯周病が進行して歯がグラついている時に矯正装置で歯を動かすと、ゆっくりと歯が引き抜かれるような形になって抜け落ちてしまう可能性があります。
多くの場合、歯が抜けるおそれがあるほど歯周病が進行している状態であれば、歯列矯正を勧めない歯科医院がほとんどです。
まずは歯周病治療を最優先して、その後に矯正を行うべきかを相談すると良いでしょう。
歯列矯正中に歯周病を悪化させない4つのポイント
歯列矯正によって歯周病が悪化してしまうリスクを解説してきましたが、普段の心がけ次第で歯の健康を保つことができます。
歯科検診で歯のクリーニングを受けたり、生活習慣を見直すことも大切ですが、最も重要なのは日々のセルフケアの質を高めることです。
ここからは、歯列矯正中に歯周病を悪化させないために意識すべき4つのポイントをご紹介していくので、できる範囲で日々の習慣として取り入れてみてください。
①:歯のクリーニングを定期的に受ける
歯列矯正中に歯周病を悪化させないポイント1つ目は、歯科医院で定期的に歯のクリーニングを受けることです。
歯垢は歯磨きで落とすことができますが、歯石になると自力では除去できないので注意が必要です。歯石は表面がざらざらとしているため、さらに歯垢が付着しやすくなります。
クリーニングで歯石を落とすことで歯周病リスクを大きく抑えられるので、定期的に歯科医院で検診を受けることをおすすめします。
②:生活習慣の見直し
歯列矯正中に歯周病を悪化させないポイント2つ目は、睡眠の質などの生活習慣を見直すことです。
充分な睡眠時間を取れていない方やストレスを溜め込んでいる方は免疫力が落ちやすくなり、歯周病の症状が現れやすくなるため注意が必要です。
また、タバコを吸うと歯茎の血流が悪化して歯周病菌が繁殖しやすい口腔環境を作ってしまうため、心身を健康に保つ意識で生活習慣を見直してみてください。
③:装置を清潔に保つ
歯列矯正中に歯周病を悪化させないポイント3つ目は、矯正装置を清潔な状態に保つことです。
ワイヤー矯正を行う場合はブラケットやワイヤー周辺に歯垢や食べカスが残りやすくなるため、歯ブラシの当て方や力加減を意識しながら細かく除去する必要があります。
また、インビザラインで使うマウスピースは、取り外し後に歯ブラシで汚れを落としたり市販の洗浄液に浸けるなど、清潔な状態で使用することで歯周病リスクを大きく下げられるでしょう。
④:正しいやり方で歯磨きする
歯列矯正中に歯周病を悪化させないポイント4つ目は、正しいやり方で歯磨きを徹底することです。
歯周病リスクを抑えるには歯垢を残さないことが最も大切なポイントですが、自己流の歯磨きを続けていると磨き残しやすい部分から歯周病を発症しやすくなります。
また、正しい磨き方を歯科検診の際に教わることも大切ですが、歯ブラシの寿命は約1ヶ月と言われているため、しっかりと歯垢を除去できる新しい歯ブラシに交換してみてください。
歯周病治療中の歯列矯正はセルフケアが肝心!
歯周病の症状を改善するには歯磨きの質にこだわる必要がありますが、一般的な歯ブラシでは丁寧に磨いても歯垢や食べカスが残りやすいと言われています。
「ホワイトニングカフェhome」のイオン歯ブラシは、手に持つだけで毛先からマイナスイオンが発生する特徴があり、歯垢をしっかりと除去することで細菌の繁殖を防ぐことが可能です。
フッ素毛を使用した歯ブラシヘッドも販売しており、ご自身の歯に合わせて取り替えることが可能です。
フッ素毛は極細毛であるため、歯周ポケットに届きやすく、隅々まで汚れを落とす効果があるため、歯周病予防にはぴったりの商品です。
もし、矯正中ですぐに歯磨きができないといったシーンの際は、マウスウォッシュを活用するのもおすすめです。
「ホワイトニングカフェhome」では持ち運びができるスティックタイプのマウスウォッシュを販売しており、外出先でいつでも口内を清潔にすることが可能です。
刺激が強いマウスウォッシュが苦手な方でも抵抗なく使用できる使い心地がやさしいノンアルコールタイプとなっておりますので、ぜひ歯周病予防にお役立てください。
歯周病の人は同時に歯列矯正ができない?歯周病が悪化するリスクまとめ
この記事では、歯周病治療と歯列矯正を同時にできる・同時にできないケースと、歯列矯正によって歯周病が悪化するリスクや具体的な予防法をまとめて解説しました。
軽度の歯周病であれば同時に歯列矯正できる可能性もありますが、歯周病が進行している場合は同時進行できないケースが多く、先に歯周病治療から始める必要があります。
歯列矯正によって磨き残しが増えて歯周病の症状が進行するケースもあるため、歯ブラシの選び方や歯磨きのやり方を見直して、健康な歯茎の維持と症状の改善に努めましょう。