神経のない歯を白くしたい!ホワイトニングで白い歯は手に入る?
更新日:2024年11月07日/ 公開日:2022年10月12日
神経を抜いた歯は血流が行き渡りにくく、白色から茶色・黒色と徐々に歯の色が変化していきます。
一般的に「神経を抜いた歯を白くするのは難しい」と言われていますが、果たして神経のない歯にもホワイトニングをすることは可能なのでしょうか?
この記事では、神経のない歯が変色する原因や神経のない歯でも可能なホワイトニングの種類について詳しくお伝えしていきます。
神経のない歯が変色する原因は?
そもそもなぜ神経がなくなってしまった歯は変色してしまうのでしょうか?
神経のない歯をホワイトニングで白くできるのかご紹介する前に、まずは神経のない歯が変色する仕組みを歯の構造とともに解説いたします。
歯が変色して見える仕組み
人間の歯は内側から順番に、
・歯の神経である「歯髄」
・歯の色や白さの基本調となる「象牙質」
・歯の表面を覆う透明な「エナメル質」
の3層構造で構成されています。
このうち最も内側にある歯髄は、神経の内部にある血管を通して象牙質に栄養分を届ける役割を担っているのですが、虫歯が歯の奥深くまで進行してしまうと抜髄(ばつずい)と呼ばれる歯の神経を抜く治療が必要になることがあります。
抜髄によって歯の神経が失われると、歯に十分な栄養を届けることができず口の中の免疫力が低下します。
すると、本来は必要のない物質までもが象牙質の細管に入り込み、この物質が歯の1番外側にあるエナメル質から透けることで歯そのものが黒っぽく変色して見えてしまうのです。
抜髄以外にも、転んでぶつけてしまったことがきっかけで歯の神経が損傷して変色してしまうこともあります。
治療をしていないのに歯が変色することもある
その一方で、神経を抜いた覚えがな買ったりぶつけた記憶がないのにも関わらず歯が黒く変色している場合は、知らない間に虫歯が進行し神経や歯根まで達している可能性が考えられます。
進行した虫歯を治療せずにそのまま放置していると、やがて細菌が神経を破壊して骨を溶かし出血します。
この場合に、歯が黒く変色したように見えるのは、出血した血液と壊死した組織が反応を起こしているためです。
そのまま放っておくと歯が機能しなくなり、将来的には抜歯せざるを得なくなってしまいます。
心当たりのある方は、まずはホワイトニングよりも歯科医院での根幹治療を優先させてください。
神経のない歯はホワイトニングで白くなる?
神経のない歯への治療法はさまざまですが、ホワイトニングで歯の変色を目立たせなくすることは可能なのでしょうか?
ここでは、歯科医院で行われるオフィスホワイトニング、自宅で行うホームホワイトニング、専用のホワイトニングサロンで行われるセルフホワイトニングを例に解説していきます。
オフィスホワイトニングの場合
オフィスホワイトニングの薬剤として使用される「過酸化水素」は、神経のない歯には漂白効果を発揮しません。
変色が進んでいない場合は、稀に神経のない歯も白くなる場合もありますが、その効果はあくまで一時的で色戻りのスピードも早いため、オフィスホワイトニングだけで神経のない歯を白くすることは難しいでしょう。
ホームホワイトニングの場合
ホームホワイトニングは歯科医師監修のもと自宅で行うホワイトニングで、主に「過酸化尿素」が主成分の薬剤を使用します。
この過酸化尿素は、酸化反応の過程で過酸化水素に分解されるため、基本的なホワイトニングの仕組みはオフィスホワイトニングと変わりありません。
そのため、ホームホワイトニングでも神経のない歯を白くすることは難しいです。
セルフホワイトニングの場合
専用のサロンでスタッフ指示のもと自ら行うセルフホワイトニングは、歯を漂白するのではなく歯の表面の着色汚れを除去して歯を白くしていきます。
セルフホワイトニング専門店「ホワイトニングカフェ」では、歯へのダメージが少ない「酸化チタン」という溶液を使って歯表面に染み付いた汚れを浮かせて自然な白さへと導きます。
そのため、たとえ神経のない歯であっても表面の汚れを徹底的に除去して黄ばみを軽減することはできるでしょう。
さらに「ホワイトニングカフェ」では、根幹治療を終えた方を対象に詰め物の上からホワイトニングを行うことが可能です。
ただし、セルフホワイトニングはあくまでも歯の汚れを落とすことが目的であるため、詰め物が持つ本来の色以上に白くすることはできません。
詰め物本来の色より白くしたい場合は、詰め物自体を他の歯の色に合わせて交換する必要があります。
神経のない歯のホワイトニング方法は?
神経のない歯の変色は歯の内部にある象牙質が原因なので、歯の表面にアプローチするオフィスホワイトニングやホームホワイトニング、セルフホワイトニングでは完全に白くすることが難しいと言われています。
つまり神経のない歯を白くするためには、歯の内部にある象牙質にアプローチしなければなりません。
ここでは、神経のない歯への治療法として知られる、
・ウォーキングブリーチ
・インターナルブリーチ
・ ブライトホワイト
以上3つのホワイトニングについて詳しく見ていきましょう。
①ウォーキングブリーチ
神経のない歯を白くする1つ目のホワイトニング方法は、ウォーキングブリーチです。
1963年から行われている歴史の長いホワイトニング方法で、日本では2006年まで健康保険が適用されていたこともあり、現在でもウォーキングブリーチを行っている歯科医院は少なくありません。
ウォーキングブリーチは外傷や大きな虫歯などによって神経がなくなった歯の中に高濃度の漂白剤を入れて、歯を内側から白くする方法です。
歯に注入するのは、過ホウ酸ナトリウムと過酸化水素を混ぜ合わせた特殊なホワイトニング薬剤で、1週間ごとに薬を交換する必要があります。
濃く変色している象牙質に薬剤を直接作用させるため、短期間でより高い漂白効果が期待できる点が大きなメリットです。
神経のない歯だけでなく、テトラサイクリン系の抗生物質で変色してしまった、通称:テトラサイクリン歯にも効果が期待できるでしょう。
費用相場としては1本5,000円~20,000円前後なので、そこまで高額というわけではありません。
まれに薬剤の影響でガスが発生することがあり、ガスが発生すると強い痛みが生じたり、詰め物が取れたり、歯にヒビが入りやすくなるといったデメリットがあります。
また、1~13%程度の確率で歯根やその周りにある骨が溶けてしまう副作用が起こる、と報告されており、安全性は決して高いとは言えないでしょう。
②インターナルブリーチ
神経のない歯を白くする2つ目のホワイトニング方法は、インターナルブリーチです。
別名パワーブリーチとも呼ばれるインターナルブリーチは、根幹治療で使用した詰め物を1度取り外し、歯の内部に漂白剤を入れて白くする方法です。
歯に薬剤を注入するという点で、基本的にはウォーキングブリーチと同じですが、薬剤の浸透させる時間が大きく異なります。
1度注入した薬剤を約1週間入れっぱなしにするウォーキングブリーチとは違い、インターナルブリーチは薬剤を長期間入れっぱなしにはしません。
歯科医院で施術を行った後に薬剤を抜き取るため、安全性はウォーキングブリーチよりも非常に高いと言えるでしょう。
その反面、神経のない歯を白くするためには何度か通院する必要があり、即効性に関してはあまり期待できません。
費用は1回約10,000円ほどですが、変色を改善するために何度も通院が必要なので、最終的な費用はどうしてもかさんでしまいます。
多少の費用はかかってでも歯茎や骨にかかる負担を軽減したい問う方におすすめのホワイトニング方法です。
③ブライトホワイト
神経のない歯を白くする3つ目のホワイトニング方法は、ブライトホワイトです。
ブライトホワイトでは、NASAの科学者であるDr.John Warnerが開発したブライトスマイル3000という特許取得済みの光照射機を使用します。
ホワイトニングジェルもニューヨーク大学の研究員によって開発されたもので、アメリカで大人気のホワイトニング方法です。
アーチ型の照射口は、3方向から計6つのライトで光を照射することができ、犬歯や第一小臼歯にもしっかりと光を照射します。
一度に数多くの歯をまとめてホワイトニング可能な上、1回のホワイトニングで期待できる効果も非常に高いです。
ただし、ウォーキングブリーチやインターナルブリーチのように、歯の内側に薬剤を流し込むわけではありません。
ですが、そのホワイトニング効果の高さから、神経のない歯でもある程度であれば白くなるでしょう。
日本ではまだ流通の少ない特殊な機械を使用し、ホワイトニングジェルも専用のものになることから、1回の費用はどうしても高くなっていしまいます。
また、1度に多くの歯をホワイトニングするため、1回あたりの費用は約80,000円ほどを見積もっておいた方が良いでしょう。
1回で得られる効果が高い上に、ほとんどの歯を1度にホワイトニングできるので、何度も定期的に通う必要がなく、結果的には費用が抑えられるケースが多いです。
ホワイトニング以外で神経のない歯を白くする方法は?
神経のない歯をホワイトニングで白くするためには、先ほどご紹介したような特殊な方法を取らなければなりませんが、実施している歯科医院は限られており、危険性も高いものが多いです。
神経のない歯を白くしたいのであれば、ホワイトニング以外にも以下のような方法を試してみるのも良いかもしれません。
・ホワイトコート
・ラミネートベニア
・ セラミック治療
では、それぞれの詳細を解説します。
①ホワイトコート
まずご紹介する神経のない歯を白くする方法は、ホワイトコートです。
ホワイトコートは、歯の表面にマニキュアのような白い塗料を塗ることで歯の変色を隠す方法で、歯のマニキュアとも呼ばれています。
歯を削ったり漂白したりしているわけではないため、ホワイトコートが剥がれれば元の歯の色に戻るのが難点と言えるでしょう。
以下の関連記事では、歯のマニキュアの効果やホワイトニングの違いについて詳しくご紹介していますので、気になる方はあわせてご覧ください。
②ラミネートベニア
つづいてご紹介する神経のない歯を白くする方法は、ラミネートベニアです。
ラミネートベニアは、歯の表面を0.5ミリ程度削ったあと、薄いセラミックを貼り付けることで歯の色や形状を改善します。
自然な見た目と高い耐久性が特徴ですが、元の歯を削る必要があり、費用は1本につき10万円程度と非常に高額です。
すきっ歯をカバーして歯並びを良く見せる効果も期待できますが、長期間の使用で接着剤が劣化すると、再度貼り付けなければなりません。
③セラミック治療
最後にご紹介する神経のない歯を白くする方法は、セラミック治療です。
セラミック治療は、神経のない歯を削って、その上から歯全体をセラミックで覆うことで色や形を自然に美しく整えます。
神経のない歯を白くするには歯を大きく削る必要があり、費用もかなり高額になることがデメリットです。
高額なだけあって、神経のない歯でも好きな色味に調整できたり長持ちするという大きなメリットがあります。
神経のない歯はホワイトニングで白くできる?|まとめ
歯の最も外側にあるエナメル質は半透明であり、その内側にある象牙質が健康な状態を保つことで人間の歯は自然な色を保つことができています。
ところが歯の最も内側にある神経が何らかのトラブルによって失われると、象牙質に異常が起き、結果として歯が黒く変色してしまうのです。
象牙質に変色が起きると、オフィスホワイトニングやセルフホワイトニングでは対処しきれず、歯科医院で特別な治療を受けなくてはなりません。
また神経のない歯は、栄養が届かず免疫力も落ちるため健康な歯に比べて寿命が短くなるとも言われています。
神経を取った歯を長持ちさせるためには定期的な治療に加えて、日々のホームケアが欠かせません。
全国にセルフホワイトニングサロンを展開する「ホワイトニングカフェ」では、虫歯予防・歯周病予防に効果的なオリジナルホームケアブランド“WHITENING CAFE home”を展開しています。
・マイナスイオンの力で歯垢を除去する歯ブラシ
・低刺激にこだわったマウスウォッシュ
・「ポリリン酸Na」を配合した歯磨き粉
など、安心・安全にこだわったオリジナルホームケアグッズが盛りだくさんです。
“WHITENING CAFE home”の商品はホワイトニングカフェの店頭とオンラインショップで購入できるので、ぜひチェックしてください!
WHITENING CAFE homeオンラインショップはコチラ

歯科衛生士として一般歯科に勤務したのち、
ワーキングホリデーでカナダの歯科クリニックで歯科助手も経験。
2020年7月〜ホワイトニングカフェ、札幌にて勤務。