ホームホワイトニングのやり方とは?手順や注意点を詳しく解説
更新日:2023年09月07日/ 公開日:2023年07月26日
ホームホワイトニングとは、歯科クリニックを一度受診し薬剤の処方を受けるだけで、通院を行わず自宅でホワイトニングが実施できる口腔ケアのことです。
何度も通院したくない、かかりつけのクリニックまでが遠い、歯医者が好きではない…といった場合に向いており、クリニックを予約する手間や費用もかからず経済的にケアが続けられます。
この記事では、ホームホワイトニングの目的や実際の流れと方法について紹介しています。ホームホワイトニングに興味がある方、施術を受けてみたい方はぜひ参考にしてください。
ホームホワイトニングとは
ホームホワイトニングは、歯科クリニックで自分専用のマウスピースを作成し、その中にホワイトニング用の薬剤を入れて装着するだけでホワイトニングが行えるケア方法です。
日中に30分〜2時間ほどの時間をかけて行う「デイタイプ」と、眠っている時間を使って行う「ナイトタイプ」の2種類があります。
デイタイプは、短時間でもホームホワイトニングの効果が出るため時間をかけたくない方や、就寝中のマウスピース装着が苦手な方に適しています。ナイトタイプは、日中にホワイトニングを行う時間がとれない方、マウスピースの装着で歯ぎしりなども予防したい方に向いている方法です。
歯科クリニックに通院、または店舗に通って施術を受ける「オフィスホワイトニング」とは反対に、一度だけクリニックでカウンセリングやマウスピースの型取りを行えば、あとは自宅でケアをするだけ。病院が苦手な方でもチャレンジできます。
ホームホワイトニングでは、マウスピースとホワイトニング用薬剤が使われます。薬剤には5%以上の過酸化尿素を配合したものが使われており、濃度の高いものは歯科クリニックでのみ処方・使用が認められているため、自宅では5〜10%程度の薬剤が一般的に使用されています。
まず歯医者へ
ホームホワイトニングは、大きく以下の流れとなっています。
【ホームホワイトニングの流れ】
- ・クリニックを受診
- ・カウンセリング・検査
- ・マウスピース作成
- ・帰宅・ホワイトニング実施
- ・定期点検・メンテナンス
ホームホワイトニングを行っている歯科クリニックを予約し、ホワイトニングに関する説明を受けてからカウンセリングやお口の中の検診を受けます。薬剤に関する疑問点、虫歯などお口の中のトラブルに関する相談や治療計画もこの段階で行っておきましょう。
クリニックによっては、ホワイトニングと別に虫歯や歯周病の治療を勧められることがあります。基本的にお口のトラブルは早期発見・早期治療によってダメージを最小限に抑えられるため、ホームホワイトニングとは別にトラブルが見つかった場合は、治療を優先的に実施することをおすすめします。
問題がなければ、歯の型取りを行ってマウスピースを作成します。マウスピースを装着するタイミングは治療の際に説明を受けられますので、帰宅したあと説明の通りに実施してください。
ホームホワイトニングを自宅で実施しながら、数ヶ月に1回程度はメンテナンスやお口の中の定期点検のために歯科クリニックを受診します。
ホームホワイトニングのやり方
ホームホワイトニングは、歯磨きをしてからマウスピースを装着し、時間が経過してから外して洗浄をするという流れになります。それぞれのやり方を詳しくみていきましょう。
歯磨きをする
ホームホワイトニングの前には、必ず歯磨きを行います。歯の表面に食べかすや汚れが付着していると、ホワイトニング剤がうまく歯に浸透せずまばらに効果が出てしまったり、1回で得られる効果が得られなかったりする可能性があるため、丁寧に汚れを取り除きます。
ブラッシングは時間をかけて行う必要がありますが、ホワイトニング剤が歯に浸透していくと知覚過敏のような症状が出やすくなります。歯を強くこすると表面に傷がつき、よりホワイトニング剤が染みやすくなるため注意が必要です。
マウスピースへ薬剤を注入
マウスピースの中に薬剤を注入します。こぼれないように注意しながら薬剤をすべて注ぎ入れてください。
マウスピース以外のもので代用することはできません。万が一マウスピースを失くしたり破損したりした場合は、すぐにかかりつけのクリニックに連絡し新しいマウスピースを作り直してもらいましょう。
マウスピースを装着する
次に、薬剤を入れたマウスピースを正しく装着します。水やお茶といった飲み物は口にできますが、すでに歯磨きを済ませた後のため、糖分や塩分が含まれたものは口にしないようにしましょう(マウスピースを付けたままものを食べることはできません)。
順序としては、軽食やおやつも含めすべての飲食を済ませてから歯磨きを行い、歯磨きで口の中を清潔にしてからマウスピースを装着します。水分補給用の水やお茶以外は、マウスピースを装着し終わって数時間が経過してから口にすることができます(色素沈着を起こす食べ物や飲み物は4時間以上控えてください)。
マウスピースを取り外す
ホワイトニングが終了したら、マウスピースを取り外します。長く装着すれば歯が白くなるというわけではなく、決められた時間とスケジュール(週に4回など)を守って継続することが大切です。
マウスピースを外し忘れて飲食をすると、マウスピースが汚れやすく食べかすが付着して不衛生になったり、ものを噛む力によって破損したりするおそれがあります。
マウスピースを洗浄する
装着し終わったマウスピースはきれいに洗浄してください。一度口の中に入れたもののため、ホワイトニング剤やお口の中に繁殖した雑菌が付着しています。
マウスピース装着中にお茶などを飲んでいると、着色汚れの原因となる茶渋がマウスピースに付着してしまいます。軽い水洗いだけで済ませている方も、1週間のうち1回以上はぬるま湯に洗浄剤を溶かしてマウスピースを浸け置き洗を行ってください。
ホームホワイトニングのメリット
ホームホワイトニングは、自宅で手軽にホワイトニングが行える点が魅力です。通院に比べてどのような点がメリットなのかをみていきましょう。
【ホームホワイトニングのメリット】
- ・通院回数が少ない
- ・人目を気にせずケアできる
- ・強い薬剤を使わずに済む
- ・のんびりと続けられる
ホームホワイトニングでは、1〜2回でマウスピース作成までを済ませて、次からは自宅でケアが始められます。何度も歯科クリニックに通う必要がないため、予約の手間や診療を待つ必要がありません。
人目を気にせずにケアができるので、見られることが苦手な方にも向いています。また、クリニックで使う薬剤よりも濃度の弱いものが使われることで、知覚過敏の副作用を抑えられるといったメリットも期待できるでしょう。
のんびりと続けられるため、すぐ歯の色が元に戻ってしまう心配がなく効果を自分で持続させられる点もメリットといえます。
ホームホワイトニングのデメリット
ホームホワイトニングは、短時間で終了するオフィスホワイトニングよりも手間がかかるといわれています。詳細なデメリットについて確認していきましょう。
【ホームホワイトニングのデメリット】
- ・時間がかかってしまう
- ・すぐに白くならない
- ・ケア中は飲食ができない
歯科クリニックで行われるオフィスホワイトニングは、来院中にホワイトニングが行えるためその時間内にケアを終わらせられます。
ホームホワイトニングは自宅にいる時間のうち、30分以上は飲食のできない時間ができるため、ホワイトニング専用の時間を作る必要があります。
ホワイトニングの前には飲食と歯磨きをすべて終えなければいけないため、人によっては普段の生活にいろいろな制約がかかることをデメリットに感じるかもしれません。
ホームホワイトニングの注意点
ホームホワイトニングでは、薬剤の扱いやマウスピースの噛みしめといったポイントに注意が必要です。6つの注意点について詳しくみていきましょう。
①薬剤の量を厳守する
ホームホワイトニングで使用する薬剤は、多ければ多いほど良いというわけではありません。濃度は一定であり、たくさん使ったからといって劇的な変化が期待できるものではないため、副作用を避けるためにも薬剤の量を厳守するようにしましょう。
②マウスピースの噛みしめに注意
マウスピース使用中は、力を込めて噛まないように注意が必要です。マウスピースを使ったままでも飲み物を飲んだり会話をしたりすることができるため、うっかり強い力をかけないように注意してください。
ものを噛む力は想像以上に強いため、マウスピースが破損すると穴があくなどして、ホワイトニング剤が部分的に漏れ出し、歯に浸透しづらくなります。
③マウスピースを外したら丁寧に口をすすぐ
マウスピースを外した後は、丁寧に口をすすぎましょう。口の中には使用したホワイトニング剤が残っており、長時間の装着の場合は菌が繁殖している可能性もあります。うがいや歯磨きとあわせて口の中、マウスピースを洗浄しましょう。
ナイトタイプのマウスピースを使っている方は、起床直後のうがいを習慣にすると良いでしょう。
④ホワイトニング直後に飲食をしない
ホワイトニングの直後は、飲食を控えてください。歯の表面に薬剤が浸透している状態で、ものを飲んだり食べたりしてしまうと、ホワイトニングの効果が実感しにくくなります。
飲食は、ホームホワイトニングの2時間後から行えます。2時間が経過するまではミネラルウォーターなどの飲用のみにとどめて、薬剤が浸透したことを確認のうえ、通常の飲食を行ってください(色素沈着を起こす食べ物や飲み物は4時間以上控えてください)。
⑤痛みが出るリスクもある
ホームホワイトニングは濃度の薄い薬剤を使用しますが、それでも歯に刺激が伝わり痛みや知覚過敏のような症状を引き起こすことがあります。
ホワイトニングによる痛みのリスクについては、事前にかかりつけの歯科クリニックからも説明されます(説明がない場合は質問をしておくと安心です)。医師の指示に従い、正しくホワイトニング剤を使用するようにしてください。
⑥歯磨きを丁寧に行う
ホワイトニング前の歯磨きは丁寧に行ってください。歯磨きでは歯と歯のすき間や歯周ポケットを重点的に磨く方もいるかもしれませんが、ホワイトニング剤は歯の表面全体に行き渡る必要があります。
すき間だけではなく外から見える表面部分をしっかりと磨き、付着した汚れを落としてください。
関連記事:ホワイトニング後は歯磨きが重要|歯磨きに使うアイテムもチェック
効果的にホワイトニングを行うコツ
ホワイトニングを効果的に行うためには、決められた間隔を守って継続することです。その際に、時間がバラバラになってしまうと習慣として定着がしにくいため、固定の時間を決めて進めると良いでしょう。
毎日固定の時間で進める
ホームホワイトニングは、自宅にいる時間のうち飲食と歯磨きを終えたタイミングが理想的です。ホワイトニング後も2時間経過しなければ通常の飲食には戻れないため、眠る前などを選ぶと良いかもしれません。
バラバラのタイミングや、できるときにだけマウスピースを装着するといった方法では効果を実感しづらくなる可能性がありますが、1日30分〜2時間、あるいは就寝中の時間をきちんとホームホワイトニングに充てれば、始めてから数日間で歯の白さが実感しやすくなるでしょう。
丁寧なセルフケアで白い歯を目指す
今回は、ホームホワイトニングの特徴や目的、流れなどを詳しく紹介しました。
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングよりも時間がかかりますが、流れを押さえて丁寧に行うことで、きれいな白い歯を目指すことができます。
自宅にいる時間を有効活用できるので、セルフケアとしてもおすすめの方法です。セルフケアに自信がない場合は、ホワイトニングが気軽に行えるホワイトニングカフェもぜひご利用ください。